昔の日記(2008)
ふらっと路上に出た僕は今日が満月だったことに気がついた。
道路の先の夜の空にまるい月は浮かんでいた。
今、僕は「満月」といったがそれは正しくない。
満月のように見えているだけだ、僕の目に。
ついこの間まで楕円であったり、薄い雲をまとって朧だったその月は
今日は思いがけずにさえぎるものもなく、その姿を煌々とさらしている。
夜の肌寒さが心地よい。
日中、まるで夏のようだった今日の陽気はすっかり落ち着きを取り戻し
開け放たれた右の窓からは冷気をまとった5月の空気。
少々軽薄なカーラジオを消し、左の窓も開け放つ。
巻き込むように車内を抜ける風。
冷気以外の心地よさが通り抜けるこの感じ。
夜、ふらっと気の向くままバイクで走り出したあの頃。
あれはいったいいつのことなのだろう。
ぐるっと街を一回りして帰ってきてしまう。
月はさっきよりも高い空に浮かんでいる、ただひとりで。
すぐに帰ってきてしまった俺をちょっとニヒルに笑ってやがる、そう思った。
ちぇっ。
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